中国のPETG需要は急速に伸びているが、供給能力は弱いようだ

ポリエチレンテレフタレートグリコール（PETG）は、熱可塑性コポリエステルから製造される高耐衝撃性材料で、優れた透明性と光透過性、高光沢性に加え、低温での耐衝撃性を備えています。PETGは、包装、工業、医療など、様々な用途に使用されています。PETGは、シクロヘキサンジメタノール（CHDM）とPTA、エチレングリコールを混合することで製造され、グリコール変性ポリエステルとなります。製造工程により、PETGは主に押出成形グレードPETG、射出成形グレードPETG、ブロー成形グレードPETGの3種類に分けられます。

2019年には、化粧品分野からの需要が最大の消費シェアを占め、市場の約35%を占めました。世界のポリエチレンテレフタレートグリコール（PETG）市場規模は、2020年の7億3,700万米ドルから2026年には7億8,930万米ドルに達し、2021年から2026年にかけて1.2%の年平均成長率（CAGR）で成長すると予測されています。中国は安定した経済発展を背景に、PETGの需要が堅調です。2015年から2019年の需要の年平均成長率（CAGR）は12.6%で、世界平均を大幅に上回っています。中国のPETG市場は今後5年間も急成長を続け、2025年には需要が96万4,000トンに達すると予想されています。

しかし、PETG業界への参入障壁が高いため、中国ではPETGの量産能力を持つ企業は少なく、業界全体の供給能力も弱い状況です。全体として、中国のPETG業界の競争力は不十分であり、今後の発展の余地は大きいと考えられます。